いろとけわい ( Iro to Kewai ) ーA Lump of Feelingsー

2024.11.02(土) – 17(日)
12:00 – 19:00 [ 水・木・金休廊 ]

city gallery 2320
〒653- 0042 神戸市長田区二葉町 2-3-20
Tel. 078-611-4959
Mobile 090-3845-7279
Email s.mukai8823@gmail.com
http://www.citygallery2320.com

<トークイベント>
11月2日(土)17:00〜18:30 
定員25名、参加費500円
会場:フリースペースr3(ギャラリーから徒歩5分) 神戸市長田区田町3-10-101
聞き手:向井修一(city gallery 2320)

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 「いろとけわい」―― もの(かたまり)が醸し出す内と外(地球 ”世” の地核と表層、人の気持ちと佇まいなどの隠喩)を指す。言い換えれば、これらが含まれたもの(作品)にしたいという願いでもある。また展示では、以前から続く「A Garden of Feelings」シリーズ及び2014年から1年間のアーティスト・イン・レジデンスで生まれた「Animals」「Fruits」「Flowers」シリーズも紹介する。

 「A Lump of Feelings」シリーズは、”感情のかたまり”を意味する。
 2013年、特別支援教育の現場で直接的な激しい感情表現を目の当たりにして、身体が触れることによる伝達の強さを感じたことから「手の中で愛でる」ことを主題とし、初めて発表した。
 2017年より、1995年の阪神淡路大震災での体験がきっかけとなった「石と共に焼く」作品を同シリーズとして発表する。
 2021年から、陶土と石だけではなく、磁土や金属など共に焼成できる素材と組み合わせ、焼成を重ねる作品を展開している。
 美大生時代の教科書の著者の本で、大地震から家族を守ったと感じている花崗岩の岩盤と、自身の作品素材である土との深いつながりを知った。窯で焼くと、石には「裂け、溶解」などの変化を起こり、土は特有の硬さと光沢を宿す。また石と土を一つの形に成形して焼くことで「割れ、欠け」という現象が起こる。その窯変が、触覚的テクスチャーへの関心を呼び起こし、自然(マテリアル)への畏敬が自分の根幹にあることを再認識させてくれる。
 触覚は硬さ、重さ、温度、延いては存在そのものであり、それらが同存する場が私の心象である。そこからごろりと転がり出る、色や機微・気配を含んだ「かたまり」。

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植田麻由

兵庫県神戸市生まれ、神戸市在住・制作。
2000年大阪芸術大学大学院芸術制作研究科造形表現Ⅳ(工芸)陶芸専攻修了。
1998年以降、カラフルな色彩と有機的な形態でやきもの造形作品を制作し、関西圏を中心に国内外で展示発表を行う。
2006年から2018年まで神戸を拠点とするアートNPO法人C.A.P.(The Conference on Art and Art Projects)の活動に参加。C.A.P.クレイスタジオの立ち上げにも携わる。
2014~2015年、デンマーク、信楽、アメリカにて1年間、アーティスト・イン・レジデンス(滞在制作)を行う。
2015年、滋賀県陶芸の森25周年記念事業ー国際陶芸ワークショップ・シンポジウムにパネリストとして参加する。
2016年、神戸市内六甲山麓に、野焼きや楽焼もできる屋外スペースを有する陶芸スタジオ「マユスタジオ」を設立。
2024年、中国浙江省紹興市、上虞青・現代国際陶芸センターにて滞在制作。

【所蔵】
インターナショナルセラミックリサーチセンター、アーチブレイ財団、クロアチア陶芸協会、ジョン・マイケル・コーラーアートセンター、インディアナ大学・サウスイースト、A.I.R. ヴァロリス、陶溪川美術館、上虞青・現代国際陶芸センター